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全員を解雇するにしろ、どの会社でも優秀な社員にはぎりぎりまでとどまって、残った仕事をきれいに片づけてほしい。
そうでない社員には早く辞めてほしい。 そう思うわけです。
もちろんD社の意向も同じでした。 この意向に沿って、私たちは事業撤退を知る経営トップや人事部門のトップの方たちと協議し、たとえば「6ヵ月前・3ヵ月前・1ヵ月前」にそれぞれ辞めてほしい社員、そして最後まで会社にとどまってほしい社員を選別します。
こうした準備をしたのち、事業撤退が公表される直前に、全社員との話し合いに入るわけです。 一件の訴訟もなく解雇プロジェクトを完遂・普通、事業撤退の情報が知れわたると、優秀な社員から先に早々と転職していき、そうでない社員ばかりが最後まで残るという、会社の意向と反対の現象が起こります。
ですかなぜ日系企業で人事トラブルが多発するのから、話し合いはなるべく優秀な社員から先に行い、次のような会社側のオファーを投げかけます。 そのため、何月何日にこの会社は閉鎖される。
でも、あなたにはぜひとも最後まで会社にとどまって仕事を続けてほしい。 この要望を受け容れてくれたら、リテンションーボーナスとして最終日に50万円出そう。

もしノーであれば、あなたに期待する役割をほかの人に振らなければならない。 ついては、イエスかノーかを週間以内に返事してほしい。
煎じ詰めれば、そういう話をするわけです。 そして社員からの回答を一つひとつ確認しながら、閉鎖までの人員スケジュールを組み立て、解雇という難しい案件をソフトランディングにもっていきます。
と同時に、話し合いの場では次のことも個々の社員に告げなければなりません。 つまり、会社都合による急な解雇であるため、日本でいう慰労金に相当するおカネを支払う用意があること、そしてその概算額についてです。
単にそれを告げるだけでなく、社員の同意もその場で取りつけねばなりません。 弁護士が用意した書類に、社員一人ひとりから同意のサインをもらうわけです(ちなみにアメリカの会社では、日本のような退職金制度を設けていないのが一般的)。
こうした話し合いを短期間で180人もの社員としなければならないため、わが社(イマジンコンサルティング)に在籍するアメリカ人コンサルタントを、このプロジェクトに総動員しました。 そのかいあって、ただ一人、憤然とテーブルを蹴ってヒアリングの部屋から出ていった社員を除き(その人も同意のサインはしてくれました)、解雇に伴う訴訟もなく、すべての社員が円満に退社していったのです。

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